小千谷縮・越後上布の原料になる苧麻(ちょま)は、主に福島県の昭和村で栽培されている。上杉家の会津移封と共に、
良質な苧麻は越後から会津へと移りました。
成長した苧麻を刈り取り、数時間清水に浸けて皮をむき、その皮の肉質をこそぎ落として繊維だけを取り出し、
乾燥させ原料の青苧を作ります。
水に浸してやわらかくした青苧(あおそ)を爪で細かく裂き、その糸先をより合わせてつないで、均一の太さの糸を績み、 苧桶(おぼけ)に入れていきます。
図案に基づいて作られた木羽定規または紙テープによって、墨(印)つけをして、くびり糸(綿糸または古苧等)で 固く巻き(くびり)染色する。その部分が防染され絣が出来ます。
ちきりに巻いた経糸(たていと)を機に掛け、シマキと呼ばれる腰当てで張力を加減し、足首にかけたマネキの紐を引く ことにより経糸を交差させ、開口した所に緯糸(よこいと)を巻いた管の入った杼(ひ)を通して打ち込み、さらに 筬打ち(おさうち)を行い、織り上げます。
織り上げた製品は、糊や汚れを落としながら布をやわらかくして布目を詰まらせるための「足ぶみ」を行います。
縮はぬるま湯を入れた舟の中で手もみし、糊を落すと同時に「しぼ」を作る「湯もみ」作業を行い、仕上げられます。
仕上げの後、さらに白くする製品は天気の良い日に雪上に広げ晒します。天然の漂白作用であるこの雪ざらしは、 魚沼地方の春を告げる風物詩となっています。